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遠山一郎を出迎え


最初に向かったのは、遠山一郎である。
約束の時間に、刑務所の出所者待合室に入ると、中は暖房が効いて温かい。
テレビがついていて何人かが見ているようだった。
何組かの仮出所を出迎えに来た家族らしい姿も見え、
出所した男と小声で話をしているが、定期バスの来るのを待っているようである。
その中に、
遠山一郎らしき中年の男と制服姿の刑務官がソファーに座っている。
中年の男はテレビを見たり、出迎えの家族立ちの様子を見で追っている。
制服姿の刑務官は、遠山一郎を探しているように、入り口を凝視していた。
遠山一郎は、運転手の鏑木を車に待たせて、秘書の石川正雄を伴っている。
スーツ姿の中年の遠山一郎と若い石川正雄を見るとロンフィ社の者だとわかったのであろう、
ソファから立ち上がり、目が合うと会釈をした。
刑務官が立ち上がると、遠山一郎も立ち上がり、私物の入った紙袋に手をかけてこちらを見ていた。

刑務官に近寄ると、山本信秀は、
「私は、ロンフィ社で長島社長の補佐をしている山本信秀です」
と言って用意していた名刺を出した。
そして、石川正雄が「私は秘書の石川正雄です」と言って頭を下げた。

制服姿の刑務官は名刺を確認すると、
「お待ちしていました刑務官の佐藤です。」
そして、遠山一郎の方に手をあて、
「こちらが、遠山一郎です」と言って紹介しても、
遠山一郎は何の表情もなく突っ立って居た。
佐藤刑務官が思わず、
「遠山、挨拶しろ」と怒鳴る。

驚いた、秘書の石川正雄が「いいんですよ」となだめると、
「遠山一郎さんですね、私は、ロンフィ社で長島社長の補佐をしている専務の山本信秀です。
お迎えに参りました」と優しく言うと、
「どうも」と言って、遠山一郎がピョコンと頭を下げた。

秘書の石川正雄が、佐藤刑務官に、
「何か、手続きがいるんですか」と聞くと、
「いえ、何もありません。お渡ししるだけです」と刑務官が言うので、
山本信秀が、
「遠山一郎さん、それじゃ、帰りましょう」と言って、
遠山一郎の手を取った。
すぐに、秘書の石川正雄が遠山一郎の、私物の入った紙袋を持ち、
「お荷物は、これだけですか」と遠山一郎に聞くと、
遠山一郎が頷くので、
山本信秀が、刑務官に
「それでは、失礼します、ありがとうございました」と言って深々と頭を下げると、
遠山一郎の手をとると毅然とした姿で、出入口に向かってて歩き始めた。
そして、秘書の石川正雄も刑務官を見下すような顔で見ると、軽く会釈して、
山本信秀と遠山一郎の後を、紙袋を持って追った。

山本信秀らが出入口を出ると、駐車場で待機していた、鏑木の運転する大型のワゴン車が、
3人の前に止まった。
車を停めると、急いで鏑木がおりてきて、リアのドアを跳ね上げて
左側のドアを開けると、後部座席に、遠山一郎、山本信秀の順で送り込んだ。
それ、と同時に、秘書の石川正雄が紙バッグをリアのドアから押し込むと、
助手席のドアを開け乗り込んだ。

鏑木は運転席に座ると、
「専務よろしいでしょうか」と山本信秀の方に振り返り尋ねる。
山本信秀が、
「さあ、行こう」と号令をかけるように言うと、
ワゴン車は、目的地に向かって走りだした。


車が走りだすと、山本信秀は、遠山一郎の下を横目で見て
「実はね、仕事に入る前に是非、お連れしたいところがあるのです
場所はね、ついてのお楽しみにしましょう」
と言っても、遠山一郎は何も言わず軽く頷くだけである。

暫くして、山本信秀は、遠山一郎の下を横目で見て
「貴方はね
遠山一郎さんのニ代前の前世は東京地検の検事村田由紀夫さんなんですよ。
いきなりそう言ってもわかりませんよね。
まあいいですよ。」

もちろん、遠山一郎には、何の意味か、何を言い出すのさっぱりわからず、
社員が迎えに来るとは聞いていたが、あの有名なロンフィ社の専務が自分を迎えに来るなんて、
あった瞬間から、まともな社会経験のない遠山にとっても、
普通ではないと思い、気味が悪かった。
これから何があるのか、そしてどこに連れて行かれるのか、
恐ろしい目に会うのだとの予感が脳裏を占領していた。
俺は身よりもいないし、今日泊まるところもないし、第一、行くところさえない。
所持金はたしか1万円くらいはあったかな。
まあ、困ったら無銭飲食でもして今夜は留置所にでも泊まるしかないな。
でも刑務所の親父は、
「お前良かったな、ロンフィ社が雇用してくれるそうじゃないか。
もちろん、何度も確認したが、本当だ、俺も初めてだよ、
お前、こころあたりはないのか」と言ってたな。
もちろん俺に心あたりがあるはずがない。

あの事故で死んだ奴の関係者で、俺が死刑にならなかったので、
八つ裂きの刑で私刑をするんじゃないかと、刑務官の親父に言ったら、
「おう、その点は確かにあるので、それを何度も調べてくれたそうだ。
しかし、事故の関係者でないことは確かだ。」と言っていたな。

死んだ俺の親父とかお袋がロンフィ社になにか貸しがあって、
その弱みで俺を雇うのかなあと言うと、
刑務官の親父は、
「おう、それも調べてくれたよ、しかしなあ、社長も専務も、
お前には詳しくは言えないが、全くないよ。」
「まあな、あの会社はな、社会貢献は良くやってるそうだよ、
それでと思って、他の受刑者もお願いしたら、ダメなんだよ先方の指名なんだよ」
「だから、わからないんだよ」
そういうばかりだったな。

刑務所が調べてわからないと言うんだから、俺が考えてもわかるはずないよな。
でもなんだ、この恐ろしさは。

遠山一郎が、景色でも見るように顔を窓の外へ向けているが、
そうではないと察した山本信秀は、遠山一郎に話しかける。


「遠山一郎さんは殺人で25年の服役でしたね。」
「遠山一郎さん45歳ですね。」

「えーとどこから話しましょうか」、
「ロンフィ社がなぜ、貴方を雇用するのか、気になっているのでしょう。」
「気味が悪いですか。」
「そうでしょね。」

「一言では言えません。」
「少し怖い話からさせていただきますよ。」

山本信秀は、一言づつゆっくりと、間を置いて語り始める。
怖い話と言った時、遠山一郎は少し山本信秀を横目で睨みつけたような気がした。
そして、気にすることもなく、山本信秀は語り続ける。

貴方は2代前の前世の悪行の輪から抜け出せないのです。
貴方は2代前には、
東京地検の検事だったんですよ。
村田由紀夫といったんですよ。

山本信秀はそう言った時、遠山一郎は、はっきりと、山本信秀に顔を向け、
「前世」と言って言葉を確かめた。
そして、「俺が、東京地検の検事だった」と喧嘩でも売るように強く言った。

「そうです。前世です。貴方の前世をお話しなければなりません」
山本信秀もきっぱりよ言った。

「そうです。東京地検の検事だったんですよ」
「しかし、あなたは出世に目が眩んで、法律を無視して、
無実の男を無理やり犯罪人にでっち上げたんですよ。
あなたはなんと色恋も利用したのでっすよ、
貴方には検事村田由紀夫としての正義のかけらがなかったのですよ。」

「おい、俺はね、遠山一郎と言うんだ。
俺の親父はね、ごくごく普通のサラリーマンだったよ、
そしてね爺さんも、ごくごく普通のサラリーマンだったよ、
俺が知ってる限り、検事何て仕事をやっている親戚も聞いいたことはないな。
何かの間違いだよ。
そんなことだと思ったよ。」
一気に、そう言うと、遠山一郎は疑問が晴れたような気持ちになり、
気持ちが楽になった。

「遠山さん、一応話を聞いてくれますか」
と秘書の石川正雄が口出しをした。
そして、
「遠山一郎さんの調査を担当したのは、私です。
専務に言われて極秘の調査です。
そして、村田由紀夫が貴方に行き当たるまで、10年かかりました。
この事は、私から詳しくお話しますが、先に、
山本専務が村田由紀夫のことについて、お話しますので、
暫く黙って聞いてください。
それじゃ、専務よろしくお願いします。

石川正雄がそう言うと、山本信秀が、
「スマンが、少し私の話に付き合ってください」
そういうと、
山本信秀いえ金軍宙は、彼と野永恭一の怨念を語りはじめるのだった。

当時レンフィ社の野永恭一社長はこう遺書に書いてありました。

検察での取調べは憲法違反だとね
逮捕されて、早い段階で、弁護人が検事村田由紀夫へ釈放の要求に行っている。
しかしね検事村田由紀夫は、「公判が持たない」との理由で釈放を却下しているんです。

1回目の取調べはね6月16日でした。
逮捕3日目の、検察の取調べは、検事村田由紀夫が大変でしたね、と言うので、はい大変でしたと答えました。
野永恭一社長は事件のことについて、説明出来ると思い、説明しようとすると、質問にだけ答えてください、
と言って私の説明は聞いてくれませんでしたとあります。

検事村田由紀夫から、収入を多く見せる源泉徴収代行サービス(給料支払仮装)のことで、
何故このようなことをしたのかと動機のような質問をされるので、
その経緯を説明しようとすると、又質問にだけ答えて下さい、と言われ、
それからと言って、質問の趣旨を説明し、誘導するので、「同情です」と答えました、
それだけではないでしょう、もっと言いなさいと言うので、
「景気がよくなった時はレンフィ社の仕事を優先して、してもらうつもりでした」。
またそれから、と言うので誘導されるように、
「中国でシステム開発をしたいので、そのネットワーク作りです」などというような供述をしたと思います。
  
私は、検事村田由紀夫の発言を遮るように、私は不法就労などさせていないし、
彼らが不法就労しているなど金軍宙から聞いていないので、思ってもいませんでした。
又、彼らから、お金は一切貰っていないことも発言しました。
  
裁判所での拘留質問 6月17日
裁判所での拘留質問の時は、はっきりと否定しました、
書記の方が修正してくれました。
帰りの護送車を待つ檻の中で、昨日の調書で気になっていたこと、
「逮捕容疑と、私の供述とは違う」と事を考えていて、何か犯罪人にされてしまうな、
恐怖感のようなもので一杯になりました。
気持ちが悪くなって、帰り際、倒れてしまいました。
職員の特別の計らいで、エレベータで地上階まで介助されて、バスに乗せて貰いました。
月山署に着きましたが、一人で留置場まで行けず、警察官複数人に、
抱えられるようにして部屋まで行き、後で、千石谷署の警察官がやってきて、
月山署の近くの聖人加病院へ連れて行かれ、
診察を受けましたが、幸い命に別状はありませんでした。
後日、同室の者が言うには、ああ、こいつは、死ぬな、と思ったそうです。

2回目の取調べ6月23日
検事村田由紀夫から、実は、あなたも知らないかもしれないが、
金軍宙は私の取調の際、私は警察官にも話してないのですが、検事さんにだけ言います。
「実は、僕は不法就労幇助の前に、僕自身が不法就労していたんです」と打ち明けたのですよ。
びっくりしたでしょう。あなたも金軍宙のように正直に話してくださいよ。と言う。
検事村田由紀夫は嬉しそうに言うが、私はびっくりして、
私は、なんだ、信頼していた金軍宙に裏切られていたんだと思いました。
ショックでした。

警察の取り調べで、金軍宙がレンフィに30万円を振込んだ件について、
私から検事村田由紀夫へ、警察より言われたが、
「最初の供述は二人とも中国エンヘンへの出張旅費で一致していたが、警察官が言うには、
金軍宙は訂正し、私への報酬と言っているそうだが、
私は報酬とは思っていない。
ただカネに色はついていないのでこれ以上は言わないと話した。と供述した。
私が金軍宙から貰ったのは品物で、タニヤビルへ引越しの時、
中国では、引越しの時はマッチを配ると言って、ライターを貰ったこと。
彼の奥さんが中国から日本に戻った際、金軍宙から土産として貰った朝鮮人参エキスです、と話していたら、
検事村田由紀夫から、おかしいじゃないか、あなたは前回、金は一切貰っていないと言ったでしょう、
30万円貰っているじゃないか、と言うので、私は「揚げ足を取るのですか」と言って、
これを最後に、体から、言葉が出なくなってしまい、
この日は、これ以上、言葉を発することが出来ず、無言状態に陥りました。結局、
この時は調書の作成はなく、帰されました。

3回目の取調べ(最初の逮捕) 7月1日 
この日は7月1日だと思いますが、千石谷署より迎えの車が着て、月山署より1人、車で検察へ行きました。
検事村田由紀夫と2時間半くらい、検事村田由紀夫の誘導で会話をしました。
この日も、こちらから供述すると、質問にだけ答えてくださいと言われ、
被告人から自主的に話すことは出来ませんでした。 

睨みつけて、会話の中で、次のことを言います。
「多くの中国人は小額の罰金で強制出国になります」
「私は偉いのですよ、あなたの言うことなど誰が信用しますか」
「私は、あなたを懲役刑にでもできるのですよ」。
「罰金の方が良いでしょう」そのためには・・・・。
  
金軍宙との約束も話しました。
金軍宙が「自分が中国人の面倒は見る、責任を持って管理するので源泉徴収を行って、
在籍させて欲しい」と依頼を受けた」。
又、私は「インターネットのウィキペディア辞典より不法就労についての解説ページを印刷して不法就労はさせない」
と約束をさせた、との供述をしました。
検事村田由紀夫は、あなたのことを聞いているのですよ、
あなたは中国人が不法就労しないように、どう管理していたのですか。
と言うので、私は、何度も言いますが、金軍宙に任せていました。
唯、一つだけ、源泉徴収の報告は、会計事務所より市町村に送って貰います。
若し、彼らが、別のところで働いて、源泉徴収を受けていれば、2箇所の事業所より源泉徴収していることになるので、
市町村より文書や電話で確認がくるので判ります。
と説明すると、検事村田由紀夫は、調べてみると答えた。

そして、会話が終わると、いつものように検事村田由紀夫は、
予め検事村田由紀夫の頭の中に用意した原稿で、会話のことも入っていますが、
肝心なことは入っていない、そのような調書を口述し、書記にワープロして貰います。
書記がワープロして印刷すると、読み上げて、署名するように催促されます。
この日は勇気を振り絞って、内容について、指摘し、調書に手書き修正してもらいました。
かなりの部分は修正してくれたが、
どのような内容かは思い出せませんが1、2箇所、重要だと思うところで違うと思ったので、
さらに修正を要求しましたが、検事村田由紀夫はもういいでしょう。と言うが、
しつこく食い下がろうとすると、もういいでしょう、と強い口調で言い、
全ては修正してくれる気配はないのと、私は結構修正してくれたので、
まあいいか、と自分を納得させ引き下がりました。

終わると、「まったく反省がないな、何考えてるんだ」と強い口調でいいます。
署名しなさいと命令調で言うので、今までよりは言いかと思い署名しました。
しかし署名後、小さな声ですが聞こえるように、「覚えていろよ」と独り言を言います。

4回目の取調べ(再逮捕)
この日は再逮捕1回目の取調べでした。
警察官から、再々逮捕されないように、何度も、絶対に検事村田由紀夫には逆らわないこと。
調書は逮捕者が出ていることを踏まえ、一般論で、また結果論で考え、素直に署名するように言われていました。

私も再々逮捕は絶対に避けたいと思い、警察官に教えてもらった言葉を暗記しておいて、
検事村田由紀夫の取調べの前に言ったような気がします。
確か、自己の身を守るための供述をしたことを反省しています、
との趣旨の宣誓分のようなものだったと思います。

ですからこの日も、検事村田由紀夫が睨みつけて言う(「多くの中国人は小額の罰金で強制出国になります」
「いいですか、あなたの場合も認めれば罰金です」
「私は、あなたを懲役刑にでもできるのですよ」)も聞いていましたが、
検事村田由紀夫が誘導する質問には、警察官から指導を受けていたように、事実とは違っても、
どうすれば再々逮捕が避けられるかを基準に、一般論で、
また結果論では、こう答えればいいんだと考え、嘘の供述をしました。
  
そして、会話が終わると、いつものように検事村田由紀夫は、
予め検事村田由紀夫の頭の中に用意した原稿で、会話とは違う内容も入った、
そのような調書を口述し、書記にワープロして貰います。書記がワープロして印刷すると、
読み上げて、署名するように言います。もちろん、素直に署名します。
検事村田由紀夫は、してやったり、とニコニコしていました。

5回目の取調べ(再逮捕)
この日は、検事村田由紀夫との雑談が多かったと思います。
しかし、しっかり独り言は言います、「多くの中国人は小額の罰金で強制出国になります」、
「否認を続ければ、奥さんを逮捕しますよ 私は逮捕できるのですよ」、
「否認を続けると、私はあなたを懲役刑にも出来るのですよ」、
「私は偉いのですよ、あなたの言うことなど誰が信用しますか」「懲役刑にしますよ」など。

警察の取調べで、警察官は調書を取らなかったので、
刑事さんに話しましたが聞いてくれますか、と言って、
警察官に話した内容について、話そうとすると、刑事さん、
刑事さん、と言うんじゃないよ。
そんな話聞きたくないと言う。
  
ひとつだけ、警察官が発見したキンの名前でレンフィ口座への90万円振込みについて、
私より検事村田由紀夫へ報告しました。
勿論、金軍宙からの入金ではなく、売掛金の入金だと言いましたが、
警察はまだ調べていませんが金軍宙からの入金かも知れませんと話をしましたが、
特に追求されることはありませんでした。
  
翌日、警察での取り調べの際、私の目の前で、
検事村田由紀夫より、取調べの警察官へ電話がありました。
をしていないものについて、検事村田由紀夫に話をしないで欲しい。
この件は、無かったことにする。
  
しかし、この21年1月の90万円振込について、
金軍宙は取り調べの供述調書では何も述べていませんが、
証人尋問で突如、「友達に言われて思い出した」
「友達にATM操作を手伝って貰って90万円振込んだ」と言い出します。
この件は弁護人より、卒業より前なので、金軍宙の供述調書の時期(卒業後)と違うこと。
又、現金で渡したと供述していたが金種が違うこと。
友達にATMの操作を手伝ってもらったのであれば捜査段階で供述しているはず。
など指摘されています。
  
これは、公判担当の検事高橋雅が、共謀の物的証拠がないので、キンの名前で入金記録がある、
押収した銀行元帳を物的証拠とするため、
証人尋問で金軍宙に供述させたのだと容易に想像できますが、大きな矛盾があります。
  
そして、会話が終わると、いつものように検事村田由紀夫は、
予め検事村田由紀夫の頭の中に用意した原稿で、会話とは違う内容も入った、
そのような調書を口述し、書記にワープロして貰おうと始めますが、
私が、又か、との表情、退屈な表情というか、嫌なしぐさをすると、やめてしまいました。
そしてまた、前記したようなことを睨みつけて言います。

私が、「すいません」と言うと、結局、この日の調書は、作成しなかったと思います。

6回目の取調べ(再逮捕) 7月22日
取調べは6回だったと思う。そして、この日が最後の取調べだと思います。
  
検事村田由紀夫は、いつものとおり
(「多くの中国人は小額の罰金で強制出国になります」
「いいですか、あなたの場合も認めれば罰金です」
「私は偉いのですよ、あなたの言うことなど誰が信用しますか」
「私は、あなたを懲役刑にでもできるのですよ」)を言って、
ほとんど会話もなく、いつものように検事村田由紀夫は、
予め検事村田由紀夫の頭の中に用意した原稿を口述し、
書記にワープロして貰います。
書記がワープロして印刷が終わると、読み上げて、署名するように言います。

確か、今日で終わりだと、前日、警察官より言われた言葉を思い出し、
再々逮捕は絶対されないように、逆らわずに、
一般論、結果論で署名するように何度も言われていたことを思い出し、
嘘の内容ですが、署名しました。

警察官から起訴になるといわれていたので、
事村田由紀夫に、保釈をしてくださいとお願いしました。すると、
次に、2本目の調書を作成すると言って、
検事村田由紀夫より、最初の逮捕のとき私が供述した、
「金軍宙より、自分が中国人の面倒は見る、責任を持って管理するので、
給与を多く見せる源泉徴収代行サービス(給与支払仮装)を行って、在籍させて欲しいと依頼を受けた際、
インターネットのウィキペディアより不法就労についての解説ページを印刷して、
不法就労はさせないと、金軍宙との約束をしたこと」を、
取消せ、取消さなければ懲役刑にすると何度も恫喝される。

断ると、中国人との約束など誰が信じるものか、と言い。
懲役刑になりたいのか、といい、金軍宙との約束を取消せと攻めてくる。
これを何度も繰り返すと、「もういい、刑務所へ送ってやる」と言われるが、
「本当のことを言ってはいけないのですか」とのやり取りを3度し、起訴された。

このように書いてありました。
金軍宙はね、キンですよ、
中国人はねキンの姓で銀行口座に振り込む事はありません。
常に姓名ですよ。
まあ、中国文化を知らない日本人の作文であることが、こんな事でもはっきりしますね。
でも日本人でも銀行振り込みは姓名ですると思うのですが、
不思議ですね警察や検察の常識は。
彼らの常識は普段の生活でも姓だけで日常生活をするのですね。
だから、私は偉いと言うのですね。
そしてね、野永恭一社長はね、・・・いや言うのはやめよう。」

山本信秀はそう言ったが、少しクビを回して、
これではわからないだろうと思い、

「いや、野永恭一社長はロンフィ社の創業者なんですよ。
そしてねレンフィ社はやはり、
野永恭一が起こしたソフト会社でロンフィ社の前身の会社なんですよ。

そしてね、野永恭一社長は憲法問題を指摘するんですよ、
このような、脅迫めいた恣意的な取調べで、被告人の供述を無視し、
条規を逸した。検察に有利な調書の作成は、大きな事実誤認を生んでおり、
憲法第36条、38条違法である。
このことは、調書が無効だけでなく、重大な事実の誤認のある論告がされたことになります。
又、このような憲法違反の取調が白昼堂々と行われている現実を踏まえ、ビデオ撮影を必須にして、
取調べの可視化を行うことは絶対に必要で、早急に取り組む課題であります。

憲法違反の条文を参考に言いますね。
第36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、
これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、
有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

と一気に、何度も呼んで暗記している遺言の付属資料の記述内容をゆっくりと朗読するように、
述べたのである。

そして、
「少し休憩させてください」と言うのである。

遠山一郎は、まだなんかの事件のことで怨念がある話だと思ったが、
野永恭一社長がロンフィ社の創業者と聞いて、
自分を雇用しようとするロンフィ社と関わりのある事件であることは理解できたのである。
そして、ロンフィ社と自分の2代前、つまりなんなとか検事が関わりがあるようである。
少し興味が湧いてのを抑えきれず、
「話はこれだけですか」と山本信秀に挑発するように尋ねるのだった。


遠山一郎に督促されて山本信秀が、それでは、恨みの結論部分を言いましょうか、
野永恭一社長はね、こんなことを問題にしたのではないのですよ、
今話したことはね、仮にこれが事実としても法律的には何ら違反ではないんですよ。

当時はね殺人を犯さなくても殺人犯にされていたんでしょ。
私が、やりましたと言えば殺人者にされていた時代なんです。
もちろん弁護士が優秀でれば、殺人犯なんかにされませんよ。
でもね、弁護士が能無しで、被疑者が面倒になって認めれば、殺人者になるんですよ。

この事件はね、レンフィ社の野永恭一社長がね、定期採用を使用として、部下の金軍宙に依頼して、
中国人の定期採用の予定をして8人くらいの中国人学生の採用内定をしたのですが、当時リーマン・ショックと言う、
大きな経済事件が起きて採用を中止したんですよ。
そのうち4人が卒業後も、学生時代アルバイトをしていた飲食店で不法就労して逮捕されたんです。
入管法と言う法律があって、資格外活動違反の不法就労で逮捕されたんです。
入管法はね、不法就労者を雇用したものも、不法就労助長罪で逮捕される決まりだったんです。
ところが、警察・警察はね雇用すたものを不法就労助長罪で逮捕せずに、レンフィ社の野永恭一社長を逮捕するのです。
彼らを雇用する気もないのに彼らに「雇用契約書」を渡した。つまり、「虚偽の雇用契約書」だと言うのです。
だから在留許可が出て、日本に在留できた。
在留できたから不法就労できた。
だから、虚偽の雇用契約書を作成したレンフィ社の野永恭一社長は、入管法の違反を幇助した罪で、
刑法の幇助罪で起訴され懲役1年半、罰金150万円の最高刑を受けたのです。

それで、野永恭一社長が怒ったのです。
不法就労は雇用者がいるから不法就労が成立することので、
不法就労者と不法就労者を雇用するものを罰するのが入管法の趣旨である。
不法就労者を雇用したものを不法就労助長罪で逮捕せずに、なんということをするのだとね。
それからね、
内容虚偽の雇用契約書を提出して、在留資格資格の交付を受けたものは、入管法で、在留資格の取消処分が行われるのです。
かれら4人は、内容虚偽の雇用契約書を堤出したとして、在留資格の取消処分をうけていないので、
虚偽の雇用契約書を堤出した罪はないのです。
ないから刑法の幇助罪は適用できないのです。
仮に、彼らが内容虚偽の雇用契約書を堤出したとすると、野永恭一社長は、刑法の幇助罪が適用されます。
しかしね、在留資格の取消処分の罰則は強制国外退去なんです。
そうすると、日本人の野永恭一社長は二分の一の強制国外退去なんです。
ありえませんね。
だから処分できないのです。
これはね、野永恭一社長が起訴される直前の2010年の7月1日に入管法が改正されているんですよ。
外国人が、虚偽の書類を作成、幇助、教唆などをした場合は、
処罰できない1/2強制国外退去じゃなくて、強制国外退去処分と規定したのです。
でも野永恭一社長は日本人ですから処分できません。
それにね、雇用したものを罰する、「不法就労助長罪」は法律を知らなかったが通る、インチキな司法だったんです。
これに業を煮やして、わざわざ知らなかった言い訳は通用しませんと言う法律を追加したんです。
これも司法関係者がね3年猶予させると言う策に出たんです。
この入管法は悪の巣窟なんですよ。

こんな法律に基づいてのみ罰せられると言う憲法も無視して、
法律度度外視の司法が、白昼堂々とまかりとおたのです。
司法関係者は、法律を完全に無視したのです。

最高裁はね、野永恭一社長の上告趣意書を読んでね、
「単なる適用法の誤り」としたのです。
「単なる適用法の誤り」です。
棄却です。
コメントはね、最高裁は憲法違反とか重大なる事実誤認が審議の対象で、
単なる適用法の誤りは、弁護士を選任して再審請求しなさい。なんです。


こんな事がとおるなら
隣のばあさんがA病院で死んだ
死んだ事は事実である
B医者の医療ミスが原因かと思う

それで警察が来て、殺人の幇助罪で逮捕すると言うのです。
殺人だったら、殺人犯がいるから幇助罪が成立するのである

検察・裁判官の理由は
お前が紹介した病院でばあさんが亡くなった
お前が婆さんをA病院に紹介した
A病院が医療ミスをすることがわかっていた。
だから殺人の幇助罪だと言うのです。
無茶苦茶です。

おいだったらB医者を逮捕しろよと言っても、
逮捕するしないは、検察の裁量だ。
何と思われてもいい。
A病院からは、たくさん賄賂を貰っている。
検察はB医者は逮捕しない。
そういうのです。

西暦2010年代、
これが日本の司法だったのです。
憲法とか、法律なんてあったもんじゃないのです。
それで司法改革に乗り出すのです。


行政も無視したのです。
国会議員も無視したのです。
国会議員は憲法改正反対と
憲法第9条しか知らなかったのです。

人間の本性がむき出しになったのです。
警察、検察、裁判官が法律をしらなかったでは済まされないのですが、
実際は、法律を無視して仕事をしていたんです。
恐ろしい日本だったんです。
遠山一郎さんわかりますか。


日本国憲法を守る日本人は誰もいなかったのです。
だれも口では、いいことを言いますが、本性は全く嘘なんです
わかりますか。

それで、野永恭一社長は立ち上がったのです。
60才で逮捕されて留置所、拘置所、刑務所と収監されて、
出所したのは63歳と半年以上が立っていたのです。

ゼロ、いやマイナスからの出発だったのです。
すごい怨念ですよ。

野永恭一社長が、どうやって再審請求をしたのか
どうやって復帰したのか
これは次の機会にゆっくりまたお話しましょう。
あなたにとっても一番聞きたいところでしょうから。

そう言って話を閉じた。

食い入るように聞いていた遠山一郎は、
少し目頭を拭うかのようにして、
「ひどい話なんですね。
2010年代に生まれなくて良かったですよ」
「野菜が社長は悔しかったでしょうね」
「もしですよ、もし、あの何とか言う検事が私でしたら、
とんでもない奴ですね。
地獄に落ちて当然ですよ・・・・・・」
と話に参加するように言う。

もう少し遠山一郎の話を聞いてやれば良いのにと山本信秀は思うのだが、
若い秘書の石川正雄が遠山一郎の話の腰をおるように、


「遠山さん長い話でお疲れになったでしょう、
もう少しで目的地につきますので、
私から少しお話させて頂きます」
と言って、自分勝手に話をしだす。

「村田由紀夫も長生きしましたよね。
でも晩年、貴方はベッドで10年苦しんで70歳で病死しましたよね。
それは哀れな老後でしたね。

そして生まれ変わり、
サラリーマンの家に長男として生まれましたが、大学に入学した貴方は
入学式の帰りに大酒を飲んで、そして周囲が止めるのも振り切って車を運転して、
交差点に突入して安心して横断している大勢の通行人を轢き殺し、
そして横断歩道に乗り上げ信号待ちの通行人を12人も轢き殺して、10人以上に重症を負わしたのです。
そして貴方も電柱に激突して死亡したのです。
貴方は、法律を無視する因果因縁が続いていたのです。

そして生まれ変わり、貧しい貧乏人の子どもとして生まれます。
遠山一郎さん、貴方です。
中学を卒業すると、盗みかっぱらいで何度も少年院に送られましたよね。
このあたりは、貴方そのものですから覚えていますよね。
そして20歳になったある日、またしても貴方は、
昼間から酒を飲んで、夕方、車を運転して、
子供神輿の列に突入して10人の死者と10人の負傷者を出す事故を起こしたのです、
そして貴方も殺人で25年の懲役で服役していたのです。
貴方には、法律を無視する因果因縁が今世も続いているのです。

まだ貴方は45歳ですが、貴方に今世はもうありません。」


石川正雄がそう言うと、山本信秀が
「おいおい、そう結論めいた話をするなよ」
「今夜の酒がまずくなるじゃないか、
なあ、遠山くん」

初めて、山本信秀は遠山一郎のことをと遠山くんと言ったのです。

遠山くんと言われた、遠山一郎は、遠山くんと言われて、
自分が、遠山一郎の身近な人間になったようで嬉しかった。

「え、今夜は酒が飲めるのですか」と少しはしゃいだような言い方だったが、
急に俯いて
「僕、酒のんでいいんですか、」
そう言うと、
「僕は、大酒を飲んで大変な事故を起こして、たくさんの人を殺してしまいます。
と言って黙りこんでしまった。

山本信秀は、
「もうすんだことだ、
お前は、これから先ずーっとそのことを背負って生きていかねばならない。
わかるな。
だからと言って、酒を飲んでいけないとは言えない。
お前は十分わかっていると思うが、酒をのんで運転してはイカンと言うことだ。
わかるな。
法律を守って生きていくんだ。
それからなあ、
これからウント仕事をして貰うから、
今日はウント美味しいものを食べて、美味しい酒を飲んで、
過去の苦い思い出はしばし忘れろ。
いいな」

山本信秀はの優しい言葉を聞いて、遠山一郎は、
涙ぐんで「はい、わかりました」
と言うのだった。


生まれ変わりのトリックをかく
このままでは1ヶ月もありません。
そして、来世は、・・・・・
その前に、野永恭一がスポンサーになるので輪廻の里を訪ねないか・・・