メインイメージ 推奨サイズW800×280px

障害者支援人生


山本信秀は輪廻の里から戻ると、5人に配属先を知らせた。
配属先はロンフィ社が経営する、障害者雇用専用のソフトウェアー工場である。
工場は東京の郊外にあり、広い敷地にソフトウェアー工場とそれを取り囲むように、
家族の入居する社宅と独身者の寮や商店などで街が構成されている。

社員は40歳以上の健常者と障害者で更生されている。
それで、彼らは健常者としてこの工場に配属されたのです。


長島恭平は野永恭一であり、山本信秀は金軍宙である。

長島恭平と山本信秀があの時相談した遺言の執行とは、
5人を悪の輪廻の輪から救い出すことだったのです。

金軍宙がどうやって、5人の来世を知ったのかは定かでないが、
遺言には、5人の来世が詳細に記載されていた。

5人は野永恭一や金軍宙の怨念をすでに受けていたのである。
いえ、二人が与えたのではなく宇宙の真理が彼らに罰を与えていたのであろう。

それで、長島恭平と山本信秀は5人の悪の輪廻を断ち切ってやろうと計画したのです。
宇宙の真理に慈悲はないであろう。
しかし人間の心には慈悲がある。
野永恭一の遺言は、5人を探しだして、悪の輪廻の底から救い出してやれとの言葉だったのです。

もし、野永恭一や金軍宙の遺言がなければ、彼らは永遠に宇宙の真理のもと、
人間として生まれても、喜びを知らない苦しみの輪廻を永遠に続けて行くのだろうが、
これで彼らは、悪の輪廻から抜けて、
普通の人間のように平凡な人生が送れる輪廻の輪に戻れたようである。